2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

3人のアンヌ

2012年、韓国、ホン・サンス監督 言語は、それを書いたり口から発せられたりした瞬間から1人歩きする。本人の意図と受け手の解釈との間に裂け目が生じ、オリジナル性は失われ、他者に委ねられるからだ。 とりわけ書き言葉は、本人の在不在に関わらず(死後も…

少年H

2013年、日本、降旗康男監督 我が国の右傾化が話題になる昨今、「東宝」というメジャーな映画会社により、反戦メッセージ満載の本作が製作されたことは賞賛に値するといえよう。 しかし、現存者の自伝映画は、本人に対するリスペクトもあってか、美化されが…

アンコール!!

2012年、イギリス、ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督 あまりにもステレオタイプで、予定調和とご都合主義丸出しの退屈な作品だ。俳優がテレンス・スタンプ&ヴァネッサ・レッドグレイブと豪華なので、もっと深みがあるのかと期待していたが、単純なお…

クロワッサンで朝食を

2012年、フランス・エストニア・ベルギー、イルマルラーグ監督 「老い」をテーマに据えた、シリアスな作品である。85歳のジャンヌ・モローが、金持ちの我が儘かつ意地悪ばあさんを過剰なまでに演じている。いつまで経っても女を失わず、生々しいありように…