2010-01-01から1年間の記事一覧

アメリア 永遠の翼

(ネタばれ注意!) 女性の自立を描く作品ではあるが、観ていて疲れた。 無謀な冒険を実現させた主人公に拍手は送れない。「自分の夢を叶えるために」莫大な捜索費用をかけて税金の無駄遣いをするのはやめてほしい。 時代のアイコンとして、政府も社会も彼女を…

 乱暴と待機

(ネタばれ注意!) 主人公の2人、山根と奈々瀬は、「乱暴」と「待機」の関係にある。山根は過去の事件を理由に奈々瀬を軟禁し、彼女に復讐することを目論んでおり、奈々瀬はその状態を嬉々として受け入れ、復讐される日を待っているからだ。 過去の事件とは・…

[ハ行] ぼくのエリ 200歳の少女

(ネタバレ注意!) 「暴力の必然性」と「越境の重要性=ジェンダーの解体」。 本作は、人間の生にとって欠かせないこの2つの要素を、ミステリアスかつ美しい映像で、丁寧に描いている。 人が生きていくためには、「暴力」は必然である。 「他者を殺戮して、…

 瞳の奥の秘密

(ネタばれ注意!) テーマは「終身刑」である。それは実刑として執行されるとともに、登場人物たちの想いとして、また監督のメッセージとして、それぞれの瞳の奥に隠されている。 刑事裁判所事務官を退職したばかりのベンハミンは、26年前に扱った未解決の…

悪人

(ネタばれ注意!) 「母」のメタファーである「灯台」が、キーワードだ。それは人間の生存の条件となる「イメージの獲得」へとつながり、ラストシーンで鮮やかに描き出される。 さまざまな解釈ができる本作は、根源的な問題を孕みながら、サスペンスフルでか…

キャタピラー

(ネタばれ注意!) 反戦がテーマであるが、国家間の戦争と家庭内(女と男)の戦いとを重ね合わせて、 帝国主義における暴力の問題を突きつけている。 タイトルの「キャタピラー」は、帝国主義のメタファーである「戦車(強者が弱者を踏みつぶす)」を表す。 …

ビューティフルアイランズ

南太平洋のツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島。これらの島は今世紀中に海没するだろうといわれている。 本作は、”喪われゆく世界”をテーマに、この3つの島の現状を3年間かけて映像化。気候変動がもたらす地球環境への影響の大きさを問題…

アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち

60〜70年もの演奏歴を持ち、現在も現役として活躍中のマエストロたち22名が、ニューアルバムを制作するために一堂に会し、世紀のコンサートを実現させたドキュメンタリー。 国宝級の演奏者たちが、世界3大劇場の1つ、ブエノスアイレスのコロン劇場で…

さんかく

(ネタばれ注意!) あり得ない設定だ。15歳は年頃である。同棲中のカップルの狭いアパートに、短期間とはいえ、女性・佳代の妹.・桃(高1)を呼び寄せるなどとても考えられない。 題名に加えて、桃と主人公の男性・百瀬の愛称が同じ「モモちゃん」であること…

プレシャス

「葦牙」と「プレシャス」に通底するもの。 児童虐待をテーマにした話題の2作品。前者は岩手県の児童養護施設が舞台のドキュメンタリーで、昨年度のキネ旬文化映画部門6位受賞、後者は米国の女性作家の小説を素材にしたアメリカ映画で、各国の映画賞を総な…

フローズン・リバー

(ネタバレ注意!)凍てついたセントローレンス川。この川を挟んで、カナダとアメリカの国境がある。一帯には先住民モホーク族の保留地が広がり、彼等には国境はない。 本作は、先住民/白人 、部族の宗教/キリスト教、女/男、常勤/パート、カナダ/アメ…

葦牙(あしかび)

昨今、3日、いや2日に1人、親からの虐待により子どもが殺されている、という。 本作は、そうした子どもたちが、地域の養護施設で再生を果たしていくプロセスを丁寧に追った、明るく希望に満ちたドキュメンタリーである。 goo映画: 映画と旅行を愛する人々…

最近、鑑賞本数がぐっと減っている。昨年は数年前の3分の1ほど。観たい作品がないのと家族の病気がその理由だ。日頃は専らスカパーで、マイナー系や名画を楽しんでいる。 ・日本映画 1000年の山古志 デイア・ドクター 空気人形 ご縁玉 その木戸を通って 愛…