2007-01-01から1年間の記事一覧

めがね

技術的な世界解釈である「近代形而上学(科学文明至上主義)」と対極にあるテーマ「脱構築」を孕む。常に根拠(始まり)を追及して、結末をつけようとする「理論中心主義」に疑問符を突きつけ、「自由」と「存在」の真の意味を考えさせる力作だ。 私たちは、…

水になった村

今年度の邦画マイベスト=ナンバー1。 [http://:title=[http://:title=水になった村 観ている間中、幸せいっぱいで、心が温かくなった。 自然と共に生きる、たくましい村人たち。 先祖の知恵を現代に継承し、最大限に活かす歓び。 生死に執着しない生き方。…

北辰斜めにさすところ 

先日、日本映画を応援する「中津川映画祭シネマジャンボリー2007」に初めて参加した。 神山征二郎監督の舞台挨拶があった。監督と主役を務めた三国連太郎さんが、いきさつや裏話など、大変濃いトークを30分ほどされた。 公開は12月だが、岐阜県出身の監…

天然コケッコー

映画仲間の話では大変評判がいいので、最終日に駆けつけた。だが、期待が大きすぎて「キサラギ」と同様肩すかしを食らった。 このゆるさがたまらない、という人が多い。 確かに、始原や結論めいたものを提示しないあいまいなつくりは、山下敦弘監督らしさ全…

お盆を挟んで2週間、共にバッグパッカーの達人である次女と婚約者、我々夫婦の4人でハードな車の旅をした。因みに、スペインでのドライブは10年前、アンダルシア地方で経験済みである。 行程は、バルセロナ〜モンセラット〜リエイダ〜ウエスカ〜ハカ〜パンプ…

黒い眼のオペラ 

冒頭、モーツアルトのオペラ「魔笛」より、王子タミーノが歌うアリア「何と美しい絵姿」が流れる(タミーノは旅の途中で命を救われる。 その恩人たちに、まだ会ったことのない美しい姫パミーノの絵姿を見せられて恋に陥り、数々の試練を乗り越えて姫と結ばれ…

ツォツィ

表面的には、父によって母と引き裂かれたトラウマを、マリア様のような女性ミリアムによって癒され回復する、主人公ツォツィの様子を描いているが、その陰には、先進国によって侵略された南アの哀しみが滲み出ている。goo映画: 映画と旅行を愛する人々に向け…

 絶対の愛

原題は「時間」。冒頭とラストで時を刻む音が聞こえる。時間は到着しては(生)、自らを抹消する(死)。線に例えれば、線を記しては消し、接木するように書くことによって次の線を約束する(再生)。だが、前に書いた線が完全に消えるのではない。痕跡が少…

松ケ根乱射事件

観ている間中、タイトルから想像される乱射事件が通奏低音のように響く。私たち人間の誰もが、「死を待つ存在」であるという運命から逃れられないように・・・。 それはいつ起こるのだろうか。あってはならないことを待ちつつ、私たちはドラマを追う。 すべ…

さくらん

「SAYURI」とは対極をなすフェミニスト好みの作品だ さすがに女性監督の視点は鋭い。 自分の人生に対するシビアな考え方を、ヒロインに託してアピールしている。 goo映画: 映画と旅行を愛する人々に向けた情報サイト。「個性的すぎる映画館」、国内外…

あるいは裏切りという名の犬

フィルム・ノワールは、 コントラストと夜間撮影を多用し、作品全体に暗く陰鬱な雰囲気が漂うのが特徴だ。さらに、必ず警官やギャング、情報屋などが登場し、”運命の女”がキーとなって、複雑な相関関係が展開される。 このジャンル、ハリウッド作品では、ス…

無花果の顔

不思議な作品である。観ている最中も、観た後も、奇妙な気分に浸される。 目に見えるものと見えないもの、生と死、現在と過去、自己と他者、女と男、人間と動物・・・。 これらをすべて同じ位置から捉えた、”境界のない感覚”とでもいおうか。 goo映画: 映画…

2006年に劇場・ホール・試写室で鑑賞した145本の中で、日本映画と外国映画それぞれベスト10を選んでみた。 ・日本映画 三年身籠る ゆれる ヨコハマメリー カミユなんて知らない LOFT エリエリ・レマ・サバクタニ ストロベリーショートケークス かもめ食堂 死…