夜を賭けて

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 1人ひとりの個性がくっきりと描かれ、密度の濃い群像劇として楽しめる。
 しかし、暴力シーンが多い。男も女も関係なく暴れ放題だ。


 冒頭でも記したように、人間が本来内包する“暴力性”をきちんと炙りだすことは重要だが、それが作品としてのパワーになるかどうかは、シーンとしての必然性と大いに関係がある。

 在日外国人特有のハングリー精神の発露として、俳優のエネルギーを全開にする演出はもちろん必要だが、これほど凄まじいシーンが続くとウンザリ。「説明は全て暴力で・・・」といった具合なので、儒教の教えは何処へ行ったのかと勘繰りたくなる。


 とくに、やくざの健太が母をいたぶるのは、トラウマゆえとしても酷すぎる。心理描写よりも行動に重きを置いた演出は、意図的なものだろう。暴力をふるう相手が、敵だけではなく愛すべき肉親や同胞も、というところに哀しみがある。
・夜を賭けて ★★★★(★5つで満点)