火星のカノン

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恋愛も家族も幻想ゲームだ。人を好きになるということは“自分を愛してくれるフリをする人”が好きっていうこと。つまり、人は自分がいちばん好きなのだ。
こんな簡単な方程式、誰もが分かっているくせに、すぐにこんがらかってしまう。だから、恋愛も家族も永遠のテーマになる。


本作は、風間監督の恋愛感が等身大で描かれていて好感が持てる。


不倫の相手の公平は幼い娘に言う。「かくれんぼは、そこそこ上手に隠れて見つからないようにするんだ。それが上手に生きていくコツだぞ」と。

 これぞ中年男の生活の知恵!若い絹子は体調が悪い時も公平の求めに応じる。
 でも、それって自己犠牲とは違うよね。彼を失うのが怖いから彼を愛しているフリをしているだけでは?
 同性の絹子に恋をする聖も、孤独が怖いからすり寄っているだけでしょ?


 「あなたたち家族?」と尋ねる公平の娘すら、幻想ゲームのカラクリを知っているのに、今夜も彼の夢を見てしまう絹子がはがゆい。
  

火星のカノン★★★★(★5つで満点)