・ 日本映画ベスト3
ヨコハマメリー
 白塗りの顔とユニークな衣装で飾られた、彼女の人生の空白の部分を想像しながら観ていた。
 観客それぞれに、シナリオを作る快楽を与えてくれる希有な作品。

 
「ゆれる」
 人間関係のありようをカインとアベルの物語に重ねて描いた。
  多様な解釈ができて面白い。
 心情を繊細に表現する小道具の使い方の妙。
 完成度の高さは抜群だ。


 「三年身籠もる」
 題材のユニークさとフェミニズムの切り口に乾杯!
 細やかでスタイリッシュな映像がすばらしい。
 シュールな感覚で、現代社会の諸問題を鋭く突きつけている。



・外国映画ベスト3
「ココシリ」
  この 映画を撮ることそのものがドキュメンタリーだ。
 多くを語らずに、背景にある問題点を暴き出す骨太さ。
 胸が痛くなるほどの渾身の演技に涙がこぼれた。


「マンダレイ」  
フェミニズムの視点からも読み解くことができて奥深い。
 女性の状況は100年前も、100年後も変わらないだろう、と皮肉たっぷりに描いている。
 次作が待ち遠しい。


「メルキアデス・デストラーダの三度の埋葬」 
死とは? 約束とは?国境とは?観客にどんどん難題を投げかけてくる。
 物語は次々に変容し、決して完結しない。
 メタファーの多用は謎解きの楽しみに満ちている。